自動折り畳み傘を分解してみた

背景

普通のジャンプ傘は開く時だけボタン操作で、閉じる時には両手で操作する必要があります。最近、閉じるのもボタン操作できて、しかも折り畳みという便利な傘を購入しました。
折り畳みなので持ち運び時に邪魔にならず、子供と手を繋いだまま片方の手でも開閉操作できるので、とても気に入って愛用していました。

しかしとある雨の日、家から出た瞬間に壊れてしまい、想像以上に大変困ったことになりました。
具体的には、ボタンを押して開いたまま、閉じなくなってしまいました。
普通の傘の壊れるパターンと言えば、骨が折れたり、布が破れたり、な程度で、とりあえず閉じたり仕舞うことは可能ですが、開きっぱなしで閉じることも畳むこともできません。とても嵩張るので本当に困りました。
仕方無いので、問題の傘は玄関に置いて(めっちゃ邪魔!)、別の手動開閉傘を持って外出し直しました。
片手操作ができず不便に過ごしましたが、後から考えたら出先で壊れて閉じない傘を持ち歩く羽目には至らず、不幸中の幸いでした。

そんな訳で(?)、輪ゴムで縛り付けられ可哀想な末路となった子を分解し、供養したいと思います。

まな板の上の傘

分解の様子

まずは操作ボタンと柄のカバーを外す。中にゼンマイばねとリールがあり、ワイヤーを巻き取る仕組みになっている。
左側にも内部に白い部品があり、傘を完全に閉じた時に少しだけ動いたのでロック機構も兼ねている様子。

リール周りの部品を外すと下の写真のような感じになる。
指でリールの回転止め機構を跳ね上げた状態にしてみると、中にも白いワイヤーが僅かに見える。これが正常なのかどうか分からない。
ワイヤーは引っ張ってもびくともせず、中で引っ掛かっている様子。これにより傘の帆が閉じなくなってしまったと思われる。

リール周りの部品達を並べてみた。

これ以上は分解できなさそうと判断して終了。

考察

分解してみても良く分からなかったので、ググってみました。(先に調べておくべきだった)
最も分かりやすかった記事を紹介。

https://www.kenkihou.com/auto-openclose-umbrellawww.kenkihou.com

特許情報は自分でも確認してみたのですが、意外と出願数が多くて絞り込めず、早々に諦めてました。
(本業でメカ設計の経験もある癖に特許サーベイは苦手....)

記事にリンクしてあった特許など情報収集、分解品も参考にした結果(あくまで推察ですが)次のような仕組みと思われます。

【ボタン押し1回目、閉じた状態から開く】
主軸ロック解除、主軸のバネが解放されて伸びる。
リールはロック状態を維持、ワイヤーは引き出されずに一定の長さのまま。
ワイヤーの張力が傘の帆を閉じるバネに打ち勝ち、傘が開いた状態になる。

【ボタン押し2回目、軸は伸びたまま傘の帆だけ閉じる】
リールのロックが解除。ワイヤーが引き出されて、傘の帆を閉じるバネが働く。
主軸のバネは伸びたままなので、傘の帆だけが閉じた状態になる。

【主軸を手で縮める】
主軸バネがチャージされて次に傘を開くための力を溜める。
ゼンマイバネによりワイヤーもリールに巻き取られて、次にボタン押したときに開いた状態を維持できる長さになる。←ここは自信が無い。

各部位の状態遷移表も書いてみました。これで分かりやすくなった(かも?)

初期(傘を畳んだ)状態 ボタン押し1回目 ボタン押し2回目 主軸を手で縮める
主軸を伸ばすバネ(コイル?) 圧縮(チャージ) 圧縮→開放伸長 伸びたまま 解放伸長→圧縮
傘の帆を開くワイヤー(リールのゼンマイ) 巻き取られたまま? 巻き取られたまま? (閉じバネで少し引っ張られる?) 巻き取り→開放 解放→巻き取り
傘の帆を閉じるバネ(ねじり?) 曲げ(フリー) 曲げ→引っ張りチャージ 引っ張り→曲げ 曲げたまま

それぞれのバネ張力は、主軸バネ>閉じバネ>ワイヤー の関係で、絶妙なバランスで成り立っているように感じました。

今回壊れた傘は、ワイヤーが途中で詰まってしまい巻き取ることも解放して伸ばすことも出来ない状態でした。
これにより開いたまま閉じなくなったと推察します。
ただし主軸だけ縮めることも出来たのに帆を閉じることは出来なかったので、ワイヤー以外にも帆を開くバネが見えないところに入っていたのかも知れません。

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
最後のステップは、全てのバネに打ち勝つ主軸バネを縮めるため、かなり強い力が必要です。普通のジャンプ傘よりも相当強い力で押し続ける必要がありました。
閉じ切ってロックがかかる前に押すのを止めてしまって再度開いてしまい、目などに当たって怪我してしまう事故も起きているそうです。
今回参考にした特許は、その事故を回避抑制するような安全技術でした。
この技術を採用した商品がどれか分かりませんが、次に買うならば安全性も配慮したものを探したいですね。高額だと悩みますが。