Fusion360用キーボードの自作

遠い昔の思い出から

社会人入社当時は、MICRO CADAMという2D-CADを使っていました。

https://www.fujielectric.co.jp/fsl/solution/helix/index.html

特筆すべきは写真の専用ショートカットキーボードで、これが非常に便利でした。
しかし3D-CADに移行してから、すっかり使わなくなりました。
他社CADでもリリースされていない(少なくとも私は見たことない)事から、残念ながら業界的には需要無かったのでしょうか。

十年以上経ち、足立 正 (@ohmistar) | Twitterさんのつぶやきで、その存在を思い出しテンション上がった勢いで、Fusion360用ショートカットキーボードを作ってみよう!と決意。
単純に自作キーボードの流行に乗っかりたかったという思惑もありました(笑)

どんなキーボードにするか(ワクテカ

いきなりオリジナル設計するのは難しいのと、先人達が設計製造したキット販売品が既に多数あるので、その中から選定する事にしました。
以前の記事にも書いた通り、CAD作業にテンキーは必須と考えてるので、兼用可能なサイズとキー数で探して「Attack25」を採用決定!
というか有識者達のアドバイスに従っただけです(笑) この情報を集めたり考える時間って、一番楽しいかもですね。

キットはBOOTHでも販売されています。私はスイッチなど実物を見て選びたかったので、秋葉原の遊舎工房にて購入。GW休みも大盛況でした。 yushakobo.jp

  • attack25キット LP版
  • Kailh Chocスイッチ 25個
  • 無地薄型キーキャップ 25個
  • (カラーLED:SK6812mini)←今回は購入しそびれた

つくり方

www.sho-k.co.uk

qiita.com

こちらの2記事を参考にしながら組み立てました。かなり分かりやすかったのですが、私は一部を勘違いして大失敗してました。
その内容含め、私が躓いた箇所を重点に書いていきます。
各部品の半田付け前に、毎回確認する事をオススメします。

1. 内容物の確認

キットを開封、上記ビルドガイドと比較すると、ダイオードが面実装タイプに変更されていました。
足を曲げてカットする手間は無くなりましたが、手半田付けが非常に難しそうなサイズです。
とりあえず必要な部品は揃っていそうなので、次へ。

2. ダイオード実装

先ず最初にLEDから半田付けするそうですが、当初はLED無しで良いと考えていたため購入しておらず。
作ってみると欲しくなったので、後からでも実装できるかチャレンジしたいと思います。
今回は、先ずダイオード25個の実装。いきなり難所です。

artificialarts.hatenablog.com

ダイオードは正しい向きに実装する必要あります。型番は不明でしたがグーグル画像検索してみると、極小キーボード「Blockey」などに使用されている物と同じっぽいので、上記事の内容を参考にしました。
実装部品に線が入っている方と、基板に印刷されてるマークのカソードを合わせます。基板の表裏両面に印刷されているので、確認しながら実装します。
部品を無くさないように1個ずつ開封して、トレイ等の上で作業する事を推奨します。私は1個目から落として無くしてしまい、かなり焦りました。ありがたい事に2個多く入っており無事に25個実装できました。

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ダイオード実装

結果的に拡大鏡等を使わなくても何とかなりましたが、私の技術力ではかなり厳しいなと感じました。写真はコレでも一番上手くいった箇所です。
最初に付けた基板中央は芋半田になってしまい熱で壊れてないか不安だったので、実装後に全てテスターで双方向の抵抗値を確認しました。

3. Pro Microとスイッチの半田付け

ビルドガイドのとおり、Pro Microとコンスルー(スプリングピンヘッダ)を取り付け、半田付けします。
すぐ隣に、リセットスイッチを半田付けします。半田が盛り上がっているとアクリル板と干渉するので、短めにカットしておきます。
(すいません、写真は撮り忘れ)

4. 動作確認

qiita.com

大まかな進め方は、上記事を参考にしました。

QMK関連の詳細については、Qiita記事に分けさせていただきました。
記事後半にリンクを貼りましたので、宜しければ参考お願いします。

私の場合は、LED無し&キーマップdefault でファーム作成、書き込みました。
書き込みが成功したら、キースイッチを半田付けするランドをショートさせて、PCにキー入力されるか確認します。
LEDを実装していれば、光らせる事で動作確認できます。

5. スペーサー取り付け、キースイッチ半田付け

これもビルドガイドに従い、組み立てていきます。 スペーサーとプレートをねじで固定。更に樹脂ワッシャをスペーサーに入れて、基板と挟み込むように組み立てます。
この時にグラグラする場合、リセットスイッチの半田付け部が干渉している可能性があるので、確認して短くカットします。

ビルドガイドに「スイッチはプレートを挟んで基板にはんだ付けする形になります。」と書いてあるのを、私は読み飛ばしてしまい
プレート付ける前にキースイッチ半田付けしてしまったので、50箇所の半田を除去して付け直す羽目になってしまいました。。。。

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キースイッチ組立て正誤

写真左が間違い、写真右が正しい状態です。こんな勘違いするの私だけかも知れませんが、結構しんどい修正だったので御注意を! キットの作者さんモンクスオブファンク (@monksoffunkJP) | Twitterにアドバイスいただきました。ありがとうございました。

半田付け後に、再度PCと接続して全てのキーが動作するか確認します。

6. ボトムプレート、キーキャップ取り付け、ハード完成!

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ボトムプレート取り付け

2種類のアクリル板をねじで止めて、クッションシールを貼れば完成間近です!

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キーキャップ取り付け

キーキャップを付けて完成です!
と言いたい所ですが、キー真っ白ですね(笑)
後で相応のシール貼る予定です。真似して作ってくださる方が他にもいれば、キーキャップも自作するかもです。
あと白さが過ぎるので、ここまで完成してから、やはり光らせたいなと思いました。会社で使う訳じゃないから、どうせなら派手に光らせちゃいましょうかね~

Fusion360用にキーレイアウト設定、本当に完成!

これぞ自作キーボードの真骨頂。
キーを押した時の入力内容を自由に編集できるので、Fusion360に最適なキーマップ(レイアウト)を考えてみました。
詳細な手順については、リンクのQiita記事にしましたので、こちらを参考お願いします。

qiita.com

実際に作ってみたキーマップもQiita記事内に載せています。 Fusion360ショートカットは、公式ヘルプから自分が使いそうなものを抽出しましたが、見直すかも知れません。

help.autodesk.com

モデリング、図面がメインで、スカルプト、アッセンブリを少々、他は未だ使ってないので、かなり偏りがあります。
特にスカルプトはShift、Alt位しか使ってない(笑)ので、他にも使うべきショートカットキーあれば情報いただけると嬉しいです。

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使用風景

このキーボードとマウスのみでFusion360の殆どの操作が出来るようになりました。快適♪ (6/12追記) 何が便利になったか、もう少し詳しく書きます。
例えばFusion360でスケッチ線を書きたい時にはマウスでメニューから選ぶよりも、ショートカットキー「L」を押した方が早いですが
目でキーを探して左手で押すか、マウスから手を離して右手で押す事になり、効率が悪いです。
ショートカットキーボードがあれば左手で迷わず入力できるので早いですし、負荷が高い右手作業を分散できるので疲れにくいのです。
長時間CAD作業する方には是非オススメします!

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
土日に数時間ずつ作業して、トラブルを解消しながらにも関わらず、3日で完成できました。
記事内リンク先の情報のおかげです。大変感謝いたします。
自分の備忘記である本記事も、少しでも参考になれば幸いです。